効率的な倉庫レイアウトには、コスト削減、ミスの低減、棚卸精度の向上など多岐にわたるメリットがあります。この記事では、レイアウト設計のフローから効率化の方法まで解説していきます。
倉庫レイアウトを効率化するメリットとは?
コスト削減
効率的な倉庫レイアウトは、作業効率を大幅に向上させ、作業にかかる時間を低減します。無駄な工程を削減することで、人件費の節約に繋がり、生産性の向上が期待できます。また、倉庫をレンタルしている場合は、スペースを有効活用することで、本来不要なスペースのレンタル費用削減にもつながります。
出荷リードタイムの短縮
倉庫レイアウトを整備することで、ピッキングから梱包、出荷までのプロセスをスムーズにし、出荷リードタイムを短縮できます。生産性が上がるのはもちろんのこと、注文してから商品を受け取るまでの時間が短くなるため顧客満足度向上も期待できます。
ミスや事故の低減
倉庫レイアウトを整備し、商品の位置を明確化することで、ピッキングミスを減らすことができます。また、しっかりとした倉庫レイアウトにすることで、思わぬ事故の防止にもつながります。
棚卸精度の向上と効率化
倉庫レイアウトを最適化することで、棚卸作業が効率化されます。整理整頓がされていることで、レイアウトに規則性ができ、一覧性も向上するため、棚卸精度の向上にもつながります。
倉庫レイアウトの設計ポイント
①作業フローからの問題抽出
倉庫レイアウトを決めるにあたって、入荷から出荷までのフローを確認し、改善点を洗い出します。漠然とこうしたいと進めるよりも、業務フローを明確にした上で導線や商品の保管状況を実際に確認したり、従業員から現状をヒアリングしたりすることで、本質的な問題が見えてきます。
②倉庫の全体レイアウトの決定
抽出した問題点を解決するためのレイアウトを考えていきます。ここでは入荷・保管・出荷エリアの区分けをはじめ、倉庫全体を俯瞰したレイアウトを決めます。この時に、通路幅を広くする、区分けを視覚化するなど安全面に配慮した設計ができるとなお良いです。
③商品の保管場所を決める【ロケーション管理】
商品の保管場所を決めるにあたり、重要になってくることは出荷頻度です。出荷頻度ごとにまとめて保管しておくことで、効率的なピッキングが可能になります。出荷頻度が高い商品を手前に、低い商品を奥側に配置します。
その際に使える分析手法として「ABC分析」があります。商品の特徴を3種類に分ける方法で、商品の保管場所を考える際は、以下の3種類に分類されます。
A.流動性と出荷頻度が高い
→作業効率を優先し手前に配置
B.流動性と出荷頻度が平均的
→作業と保管の効率をバランスを考え適宜配置
C.流動性と出荷頻度が低い
→保管効率を優先し、奥側に配置
また、ロケーションを割り当てることも効果的です。ロケーションとは商品の保管場所を示す番号のことで、割り当てることで商品のありかを明確にします。ラックを使っている場合は、1段ずつに番号を割り当てることで、効率的に商品のピッキングが可能になります。
詳細については以下の記事で解説しておりますので、ぜひご覧ください。
倉庫レイアウトの効率化方法
一筆書きを意識したレイアウト
入荷から出荷までの一連の流れを一筆書きの導線で行えるように整備します。この導線設計によって、行って戻ってくるといった無駄な動きを減らし、作業効率を向上させることができます。また、一筆書きの導線には「I型」と「U型」があり、倉庫の利用用途などによって使い分けます。
I型レイアウト
作業スペースを直線状に配置し、入荷から出荷・出荷作業を同時にできるようなレイアウトのになっています。
U型レイアウト
作業スペースをU字状に配置し、複数人で作業していてもお互い邪魔になりにくいレイアウトになっています。
収納アイテムを用意する
収納を最適化することも倉庫管理を効率化するための一つの方法です。
収納用のアイテムには、以下のようなものがあります。
軽量・中量ラック | 商品をダンボールなどに入れて保管するラック。棚の大きさを調整できるため、デッドスペースの活用にピッタリ。 |
パレットラック | パレットのまま商品を保管するための棚。重量物も保管できるが、取り付けのためには工事が必要。 |
ネスティングラック | パレットを保管できる棚。パレットを積んだままコンテナとして持ち運びが可能。積み重ねできるので、レイアウト変更が行いやすい。 |
適切な収納アイテムを用いることで、商品の整理整頓が容易になり、ピッキングの速度と精度の向上が期待できます。また、スペースの最適化にも寄与し、保管能力を高めることも可能です。
空きスペースを確保する
急な注文増加や新商品の入荷時に迅速に対応できるよう、ある程度の空きスペースを確保しておくことが望ましいです。また、空きスペースは一時的な作業スペースにもできるので、倉庫内での柔軟な対応にも役立ちます。
まとめ
ここまで倉庫レイアウトについて解説してきました。効率的な倉庫レイアウトに整備することによって、業務の効率化に加え、顧客満足の向上も期待できるということがわかっていただけたと思います。
扱う商品によって適切な倉庫レイアウトは変わってきますので、定期的に倉庫レイアウトを見直しを行い、最適な形に合わせていきましょう。
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