倉庫管理におけるクラウド利用 オンプレミスとクラウドの違いを徹底解説

倉庫管理におけるクラウド利用 オンプレミスとクラウドの違いを徹底解説

近年、物流業界の成長とDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、倉庫管理の方法と技術にも大きな変革が求められています。在庫の正確な管理、効率的な商品の流れ、顧客の満足度向上といった多くの要因が絡み合っており、その中核となるのが倉庫管理システムです。

この記事では主に倉庫管理システムを導入するにあたってのオンプレミスとクラウドコンピューティングの違いについて解説していきます。

倉庫管理業務について知りたい方は以下の記事をご参照ください。

目次

オンプレミスとクラウドコンピューティング

倉庫管理システムをはじめとしたシステム利用において、自社でサーバーなどの機材をまるごと管理する「オンプレミス」方式と、機材を気にせずサービスを利用できる「クラウド」方式に分かれます。

オンプレミスとは、企業の物理的な施設内にサーバーなどを設置し、システムを運用する方法を指し、クラウドとは、インターネットを通じて外部のサーバーを用いてシステムを利用する方法を指します。

この二つは、それぞれ異なる特徴とメリット、デメリットを持っています。どちらの方式を選ぶかは、企業のスタイル、予算、技術的リソース、将来的なビジョンに応じて大きく変わってきます。

本記事では、オンプレミスとクラウドの基本的な違いを始め、それぞれの特徴や選択のポイント、そして近未来の倉庫管理のトレンドについて詳しく解説していきます。

オンプレミスとは?

「オンプレミス」という言葉は、IT関連の業務にかかわっていないとあまり耳にすることはないかもしれません。以下では、オンプレミスがどういった形態や特徴を指すのかを見ていきたいと思います。

オンプレミスの基本

オンプレミス (On-Premises) は文字通り「その場に」といった意味を持つ言葉です。ITの文脈におけるオンプレミスは、企業が自社の物理的な場所(オフィス内や自社所有のデータセンターなど)にサーバーを設置し、システムを運用する形態を指します。

オンプレミスの主なメリット

  1. カスタマイズの自由度
    オンプレミスのシステムは、自社でフルコントロールしているため、ビジネスニーズに合わせたカスタマイズが容易に行えます。事業規模が拡大もしくは縮小した際に、メモリやディスク、CPUの拡張・縮小などを行い、ハード面を自由にカスタマイズできます
  2. セキュリティのコントロール
    サーバーなどの機器を自社で管理しているため、データ保管やアクセス権限などについて、自社のプライバシー、セキュリティ方針に沿って細かく設定し、運用することができます

オンプレミスの主なデメリット

  1. 初期コスト
    サーバーや関連機器、ライセンスの購入、システムの設計・構築にはかなりの初期投資が必要となります。
  2. 運用・メンテナンスに係るコスト
    サーバーやシステムのアップデート、トラブル対応など、継続的な運用・メンテナンスが企業側で求められることが多いです。そのため、管理やメンテナンスに人手が割かれたり、機材交換が必要になったりとランニングコストも発生します。
  3. スケーラビリティの遅滞
    事業の拡大や需要の増加に応じてシステムを拡張する際、物理的なリソースの追加や設定変更が必要となり、クラウドに比べて柔軟性に欠ける場面もあります。

オンプレミスは、専門的な知識や経験が要求されるため、自社内にサーバー管理者やネットワーク技術者がいない場合は避けたほうが無難でしょう。反対に、技術的リソースが豊富な企業の場合は、自社に合わせたユニークなカスタマイズが可能になるため、こちらの選択肢も視野に入ってくるでしょう。

クラウドとは?

「DX」が加速する中、”クラウド”という言葉はよく耳にすることが多いのではないでしょうか。以下では、クラウドとは何を指すのか、どのような仕組みなのかを見ていきたいと思います。

クラウドの基本

クラウドとは、クラウドコンピューティングの略であり、インターネットを通じて提供される計算資源やストレージ、ソフトウェアなどのITサービスの総称です。従来のオンプレミスのシステムとは対照的に位置し、サーバーなどの機材を自社で持つことなく、システムを利用することができます。サービス提供者のデータセンターにデータやアプリケーションが保管され、ユーザーはインターネットを通じてこれらのリソースにアクセスする仕組みとなっています。

クラウドの主なメリット

  1. 低コストでのスタート
    初期投資を大幅に抑えてサービスを開始することができます。基本的な料金体系としては、月額基本料金+ライセンス料金(+オプション料金)という形が多いです。
  2. 管理コストの低減
    サーバーなどの機材はサービス提供会社が管理するため、そこに人的リソースを割く必要がなくなります。また、常に最新のバージョンでシステムを利用できるという点も大きなメリットといえます。
  3. 柔軟なスケーラビリティ
    事業規模の拡大・縮小応じて、リソースを迅速に拡張・縮小することが可能です。どこからでもアクセスすることが可能です。

クラウドの主なデメリット

  1. セキュリティの懸念
    企業データが外部のデータセンターに保存されるため、データのセキュリティやプライバシーに対する懸念が生じることがあります。データの通信・保存方法が適切であるかを確認することが重要です。
  2. カスタマイズの制限
    クラウドサービスは多くの場合、一般的なニーズを満たすように設計されているため、特定の要求に合わせたカスタマイズが難しいことがあります。業界特有の機能などはオプションとして提供されることもありますが、費用が割高になってしまうこともあります

多くの企業がクラウドを採用する背景には、その柔軟性やコスト効率の良さが挙げられますが、どちらを選ぶかはビジネスの要件や将来的なビジョンに合わせて慎重な判断が求められます。

オンプレミスとクラウドの選択を行う際には、これらの特徴を総合的に考慮し、企業の状況や要求に合った最適な形態を選ぶことが求められます。

企業のニーズに応じた選択ポイント

企業のニーズに応じた選択のポイント

オンプレミスとクラウド、どちらのシステムを選択すべきかは、なかなか難しい問題です。以下では、どちらを選べばいいかを決める要因を項目ごとに分けてみていきます。

事業規模

  • 小規模
    システムの導入や運用に関する人手や専門知識が限られている場合、クラウドは低い初期投資と簡単な運用で始められるため有用です。

  • 中~大規模
    カスタマイズの要件やデータセキュリティ、スケーラビリティなどが考慮されるため、独自のオンプレミスシステムの構築やカスタマイズが可能なクラウドサービスを検討することが多いです。

予算

  • 少額の場合
    初期費用が低く、コストを予測しやすいクラウドが選ばれることが多いです。

  • 豊富な場合
    オンプレミスは高い初期投資が必要ですが、長期的なコストを抑えることが可能です。また、カスタマイズや独自性を追求する場合に適しています。

専門知識・スキルの有無

  • 自社社員が専門知識・スキルを保有している
    自社に合わせたユニークなカスタマイズが可能になるため、オンプレミスの選択肢も視野に入ってくるでしょう。

  • 自社社員が専門知識・スキルを保有していない
    メンテナンスやアップデートをサービス提供者が行ってくれるクラウドサービスがおすすめです。専門知識を持った社員がいない場合でも運用可能で、企業側の手間を大幅に削減できます。

オンプレミスとクラウドどちらを選ぶかは、企業の状況、将来的な展望、保持している人的及び物的リソースなど、様々な要因を総合的に評価して決定する必要があります。定期的な再評価を行い、変化するニーズや環境に適したシステムを選択する柔軟性を持つことが大切です。

倉庫管理の現状と展望

ITの発展と普及に伴い、倉庫管理の領域でもその影響が強く感じられるようになりました。データの保存手段から、自動化、最適化へと広がりを見せています。単にシステムとしての機能だけでなく、IoTやAIなどの技術と組み合わせることで、さらなる業務効率化が実現されています。

IoTとの統合

IoT (Internet of Things) の普及により、様々なデバイスやセンサーがインターネットに接続される時代となりました。これをクラウドと組み合わせることで、リアルタイムでの在庫管理、製品の動き追跡、環境モニタリングなど、より高度で正確な倉庫管理が可能となります。

ハンディターミナルを用いた入出荷管理・棚卸モバイルプリンターを用いたラベリングなどが実際に行われています。

AIとの統合

人工知能 (AI) とクラウドを統合することで、大量のデータを高速に処理し、最適な在庫数の維持や効率的な商品配置などの実現が可能です。また、倉庫内のロボットや自動化システムの制御にも活用され、人的ミスの削減や業務効率化に大きく寄与します。

AIを使ったロケーション管理の最適化AIを組み込んだOCRによる荷札の読み取りなどが実際に行われています。

まとめ

これからの倉庫管理は、テクノロジーの進化によって、従来とは比べ物にならないほどの効率化・最適化が実現されていきます。この変革をチャンスととらえ、柔軟に対応していくことがビジネスの持続性を高めるカギとなるでしょう。

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