新しい商品を、以前の入荷分よりも先に出荷してしまった…
賞味/有効期限切れの商品を誤って出荷してしまった…
こんなトラブルの経験はありませんか?
このようなミスは、正確なロット管理によって防げます。ロット管理は「正確な先入先出」と「トレーサビリティ」を実現し、商品の品質を保証する重要な作業です。 本記事では、ロット管理の概要とメリットデメリット、さらに効果的な管理方法について詳しくご説明します。
ロット管理とは
ロットとは、同一条件で製造・出荷された、同一仕様の商品の数量単位のことです。 1ロットあたりいくつ、という具体的な数量は決まっていません。
そしてロット管理とは、ロットごとに【ロット番号】や【管理日付】などを割り当て、そのロット単位で仕入から出荷まで商品を管理する方法です。賞味/有効期限がある商品を扱う場合は、日付を付与することで期限管理も行えます。
ロット管理のメリット
ロット管理を行うメリットは、「管理効率の向上」、「正確な先入先出」、そして「トレーサビリティの実現」です。具体的にどのような効果があるのか、トレーサビリティの概要も含めて解説します。
メリット① 管理効率の向上
同一ロットの商品は同一条件のもと製造・出荷されるため、1つの商品情報を確認するだけで、そのロット全ての情報を把握できます。
商品情報を把握しやすくなると、「先入先出」の徹底に役立ちます。
メリット② 正確な「先入先出」
通常、時間経過により商品価値は低下するため、庫内物流では入荷した順に商品を出荷していく「先入先出」が基本です。
ロット管理では、ロットごとに「商品の入荷日」「賞味/有効期限」などの情報を与えることで商品の新旧情報が明確になり、より正確な「先入先出」が実現できます。
先入先出を徹底することで商品の品質を維持した出荷が可能になり、賞味/有効期限のある商品では、廃棄ロスの削減にも繋がります。
メリット③ トレーサビリティの実現
トレーサビリティとは、「トレース(追跡)」と「アビリティ(能力)」を合わせた言葉で、商品の「追跡可能性」を指します。トレーサビリティの実現とは、「商品がどこで、いつ、誰によって、どのように扱われたのか把握できる状態にしておく」ということです。
各ロット番号は、その商品が製造された日時、場所、条件などの詳細情報と関連付けられるため、正確な追跡が可能になります。
商品に何らかの問題が起きたとき、ロット管理を行っていれば、具体的な作業履歴や同一ロットの商品配送先などをすぐに突き止めることができます。迅速な原因特定や商品回収が可能となり、トラブルを最小規模に収められ、企業の信頼を守ることができるのです。
ロット管理の方法
それでは、具体的にどのような方法で情報を管理するのでしょうか。
ロット管理の方法は、利用するツールにより異なります。
紙やExcelを使ったアナログな方法と、システムを利用したデジタルな方法をそれぞれご紹介します。
方法① 紙、Excelによる管理
まずはロットごとに番号を割り当て、その番号をスタンプやシールなどで商品に明示し、同一ロットの商品を保管します。そしてロット番号や管理日付など管理情報を紙やExcelシートに記録することで、ロット情報を管理できます。
紙、Excelといったアナログな手段で管理する場合は、初期費用をほとんどかけず、簡単に始められるのが大きな魅力です。
方法② システムによる管理
システムを使う場合は、バーコードやRFIDタグによる情報管理を行います。ロット番号が入ったバーコードラベルまたはRFIDタグを商品に付け、ハンディターミナルやタブレットでスキャンするだけで、ロットの情報がシステムに自動で登録されます。
入力作業が楽になる他、リアルタイムの情報更新や確認ができるのもメリットです。
ロット管理のデメリット
ロット管理は、「先入先出」「トレーサビリティ」を実現し、商品の品質保証に欠かせない作業です。特に商品の安心安全が求められる現代では、より求められているのではないでしょうか。
しかし、「じゃあ、ロット管理をやろう」と簡単に言えるものではありません。ロット管理には、「人手を使って(アナログな方法で)実施するのに苦労する」という大きなデメリットがあります。
紙やExcelを用いたロット管理(方法①)はシンプルで導入も容易ですが、ロット番号の振り分けや貼付、データの入力・管理など、手間のかかる作業が必要になります。その「管理すべきデータ」が大きいため、作業工数は膨大にならざるを得ません。データ入力時の人的ミスにも気を配る必要があります。
簡潔に言えば、アナログな方法でのロット管理は多くの人手と時間を必要とし、現場の大きな負担となってしまうのです。全く不可能ではありませんが、中々に難しいものです。
ロット管理には販売管理システムの利用がオススメ
前述の通り、ロット管理は人手で行うとかなりの労力がかかるだけでなく、ミスの発生も避けることはできません。オススメするのは、システムによるロット管理(方法②)です。
とはいえ、方法①とは異なるデメリットも出てきます。
この章では、システム利用のメリットとデメリット、システム選定のポイントを解説します。
システム利用のメリット
メリット① 業務負担が少ない(効率化)
情報の入力・更新はバーコードを読み取るだけで完了します。システムが人間に代わって正確なデータ管理を行うため、担当者に負担をかけない、効率的なロット管理が可能です。
これは負担を軽減するという現場の方のメリットでもありますが、人的コストを削減できるという点で、経営者の方にとってもメリットになります。 導入コストはかかりますが、システムによる効果で費用回収も可能です。
メリット② 正確性
システムによるロット管理の最も大きなメリットは、「正確性」です。
システムが人による作業を代替、入荷から出荷までデータを一元管理し、人為的ミスを減らします。
また、「お客様に出荷したロットが過去に出荷したロットより古い」という出荷ロットの逆転(賞味/有効期限の逆転)に対し、警告を表示したり禁止したりすることも可能で、出荷時の人為的ミス防止にも効果があります。
メリット③ 情報のリアルタイム性
入出庫の際にバーコードを読み取るだけで情報をシステムに送ることができます。入力の手間や漏れがほとんど無いため、リアルタイムの情報がシステムに蓄積されます。
在庫管理がより正確になるので、理論在庫と実在庫数の差異を防ぎ、適正在庫の維持に役立ちます。
システム利用のデメリット
次に、システムのデメリットです。これらは、「システムによるロット管理のデメリット」というよりも、「システム化のデメリット」といえます。
デメリット① コストがかかる
システム導入には高額な費用がかかり、価格帯は様々です。予算と機能をすり合わせながら、システムを選ぶ必要があります。
もちろん、「システム導入はコストがかかる=損」というわけではありません。システムを上手く活用できれば、投資以上の効果を得ることができます。ただしそのためには、「自社に合ったシステム」を選定しなければなりません。
デメリット② 業務フローが変化する
システムを導入すれば、ロット管理以外のいくつかの業務も自動化できます。もちろんこれはメリットですが、一部業務が自動化すれば人員配置や業務フローが変化します。
現場の方はシステム操作以外にも新しい運用体制に慣れる必要がありますし、 導入担当者は現場からの理解を得るべく、運用マニュアルやルールなどの作成・周知をしなければなりません。
システム選びのポイント
システム導入にはメリットもデメリットもありますが、メリットを最大限に享受するには「自社に合うシステム」を選ぶ必要があります。
ここでは、システムを選ぶためのポイントを3点お伝えします。
ポイント① 運用目的、現在の業務課題を明確にする
システムを選ぶ際には、「あれもこれも」ではなく、「自社にとって不足のない機能」を考えるのが重要です。
冷静に現在の業務を俯瞰し、現状を正しく理解した上で「自社の解決したい課題」「課題解決に必要な機能」を明確にできれば、「自社業務に合うシステム」の輪郭がはっきりします。
ポイント② 同業界、同規模企業による導入実績を確認する
「同業界、同規模企業」、つまり自社に近しい企業から選択されているということは、自社の要望にも応えている可能性が高いです。
ただ「売れている」システムではなく、「自社に近い企業から売れている」システムを探してみるのは、有効な選定方法です。
ポイント③ サポート内容を確認する
システム障害時はもちろん、運用相談にもすぐに対応してもらえることが重要です。「サポート対応可能時間」「サポート方法」などをチェックし、サポートの手厚いベンダーを選びましょう。
ロット管理にはシステムの利用が適していますが、もちろんメリットだけではありません。システム導入によるメリットとデメリットを理解した上で、最適な方法を選択してください。
まとめ
正確なロット管理により確実な先入先出・トレーサビリティを実現できれば、商品の品質維持や出荷ミスの防止、万一の際のトラブル対処も迅速に行えます。
しかし、ロット管理をするにしても、人手では多くの時間と労力をかけて、それでもミスの発生は避けられない…と、担当者の負担・不安は計り知れません。正確かつ効率的にロット管理を行える「システム」の導入をご検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、ロット管理機能が搭載されていない、または追加料金が必要なオプションであるというシステムもあります。システム選定の際はご注意ください。
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